※この記事は2023年版をもとに最新の情報を収集し、リライトいたしました。
SEO(検索エンジン最適化)について知りたいと思っている方は多いと思います。
SEOとは、Googleなどの検索エンジンで上位に表示されるための方法のことで、WEBサイトの集客やブランド認知につながります。しかし、初めてSEOに取り組む方にとっては、何から始めれば良いのか分からないことが多いかと思います。
そこで、本記事では初心者でもわかりやすいSEOの基本的な考え方から、実践的な手法までを詳しく解説していきます。
INDEX
SEOとは?(検索エンジン最適化とは?)
SEO(Search Engine Optimization)とは、Googleなどの検索エンジンの検索結果で上位に表示されるように、自分のWEBサイトを最適化する取り組みのことです。SEOを行うことで、より多くの人に自分のWEBサイトを見てもらうことができます。
例えば、自分のWEBサイトが健康食品を扱っているとします。この場合、健康食品を探している人がGoogleなどの検索エンジンで「健康食品」と検索したとき、自分のWEBサイトが検索結果の上位に表示されるように最適化することがSEOの目的です。
検索エンジンは、ユーザーが求めている情報を提供するWEBサイトを上位に表示するように設計されているため、ユーザーにとって価値あるコンテンツ*を提供することが大切になります。
SEOを行う上での最重要ポイントとして、ユーザーに有益で分かりやすいコンテンツを提供すること(ユーザーファースト)と、検索エンジンが理解しやすい文章・構造にすること(検索エンジンフレンドリー)を両立させることになります。
*ユーザーにとって価値あるコンテンツ:検索目的を持つユーザーに対し、解決策、有益な情報を提供できているコンテンツのこと
SEO対策の種類
SEO対策は、大きく内部対策、外部対策、コンテンツSEOの3つに分けられます。ここでは、初心者向けになるべく分かりやすく、それぞれの対策についてざっくりと解説します。
内部対策:
内部対策を行うことで、自分のWEBサイトを検索エンジンに理解してもらいやすくし、上位表示を狙うことができます。
タイトルタグ・メタタグの最適化:
タイトルタグは、WEBページのタイトルを定義するHTMLの一部です。適切にタイトルタグ・メタタグを設定することで、ランキングに影響を与えることができます。
URLの最適化:
URLは、WEBページのアドレスです。簡潔で分かりやすいURLを設定することで、ランキングに影響を与えることができます。
サイトマップの作成:
サイトマップは、WEBサイト内のすべてのページの一覧表です。検索エンジンは、サイトマップを使用してWEBページをクロールすることができます。
ページ速度の最適化:
ページ速度は、WEBページが読み込まれる速度を指します。遅いページ速度は、ユーザー体験に悪影響を与え、ランキングに影響を与える可能性があります。
外部対策:
外部対策とは、他のWEBサイトから自分のWEBサイトにリンクを貼ってもらうことで、検索エンジンに自分のWEBサイトの信頼性や価値を示す対策のことです。
リンクの質の向上:
自分のWEBサイトと関連性の高いサイトからリンクを得ることで、検索エンジンからの評価が高まります。そのため、業界内で有名なWEBサイトからのリンクを得ることが重要になります。また、被リンクは人工的でなく自然なカタチで獲得するようにしましょう。
現在は、質の高い被リンクが重視されており、単純な数よりも信頼性や関連性が重視されます。
SNSで拡散しやすいサイトにする:
TwitterなどのSNSに、作成したWEBページをURL付きで紹介する投稿をすれば、SNSユーザーにシェアされやすくなります。また、作成したWEBページを訪問したユーザーがSNSボタンでシェアできるようにすれば、シェアされやすくなります。
結果、外部サービスを通じて参照される機会が増えるので、被リンクの獲得につながります。
コンテンツSEO:
コンテンツSEOとは、WEBサイト内のコンテンツ(文章や画像、動画など)を最適化することで、検索エンジンからの評価を高める対策のことです。
キーワードの適切な使用:
近年では検索エンジンが自然な文章を好むため、キーワードを詰め込みよりも、関連性と文脈を重視した自然な文章が重要になります。
コンテンツの質の向上:
ターゲットユーザーを明確にし、どのようなキーワードで検索されるのかを把握し、ユーザーに必要とされる有益な情報を提供することが重要です。
コンテンツの更新:
WEBサイト内のコンテンツを定期的に更新することで、検索エンジンからの評価を高めることができます。
SEOはGoogleの考え方に近づけることが大切
日本では、GoogleとYahoo!の2つの検索エンジンが9割以上のシェアを占めています。Yahoo! JAPANはGoogleの検索アルゴリズムを使っているため、事実上Googleの寡占状態と言えます。SEOを行う場合は、基本となるGoogleの考え方を理解する必要があります。
Googleの検索評価における重要な概念として、「E-E-A-T」「YMYL」「MFI」があります。これらを理解し、SEO対策を行うことが、効果的な検索エンジン最適化につながります。
ここでは「E-E-A-T」「YMYL」「MFI」について分かりやすく簡潔に説明します。
E-E-A-T(専門性、経験、権威性、信頼性):
コンテンツSEOとは、WEBサイト内のコンテンツ(文章や画像、動画など)を最適化することで、検索エンジンからの評価を高める対策のことです。
E-E-A-Tは、Googleが検索ランキングを評価するために使用する重要な概念の1つで、専門的な知識、権威性、および信頼性を示すことが重要です。新たな基準として導入された、Experience(経験)は、「ユーザーに対して役立つ情報や具体的なアドバイスが提供されている」ことを意味します。
- E:Expertise(専門性)
- E:Experience(経験)
- A:Authoritativeness(権威性)
- T:Trustworthiness(信頼性)
YMYL「Your Money or Your Life」:
YMYLは、Googleが特に注意を払うカテゴリーで、人々の生活、健康、幸福、財政的な安定性に関わる情報を含むページを指します。このようなページは、コンテンツの品質より正確性、信頼性が担保されるよう非常に厳格に扱われます。YMYLに該当するカテゴリやジャンルは以下になります。
- ニュースと時事問題
(国際的な出来事、ビジネス、政治、科学、テクノロジーなど) - 市民の権利権、政府、法律
(投票、政府機関、公的機関、社会サービス、法的な問題など) - 金融情報
(投資、税金、退職後の生活設計、ローン、銀行、保険に関する情報など) - ショッピング
(商品・サービスの購入や調査に関する情報やオンライン購入ができるサイト) - 健康と安全
(医療問題、薬品、病院、緊急時の備えなど) - 人々のグループ
(国籍、人種、宗教、性別などの情報など) - その他
(フィットネスや栄養、住居情報、大学の選択、就職など人生の大きな決定や重要な局面に関連する情報など)
MFI(モバイルファーストインデックス):
MFIは、Googleがモバイルデバイスを優先する検索結果のインデックス化方法を指します。これは、モバイルフレンドリーなサイトが、デスクトップページよりも優先されることを意味します。MFIは、WEBサイトの表示速度やレスポンシブデザインなど、モバイルユーザーにとって使いやすいサイトの要素を重視するため、SEOにおいて重要な要素の1つです。
SEOで検索順位が決まる仕組み
ここでは、SEOで検索順位が決まる仕組みを簡潔に解説します。
1.クロール:
検索エンジンがWEBページを見つけ、そのページの情報を収集することを指します。検索エンジンは、自動的にWEBページを巡回し、ページのURL、タイトル、コンテンツなどを収集します。
2.インデックス:
収集された情報は、検索エンジンのインデックスに保存されます。インデックスは、検索エンジンが保持する大きなデータベースのようなものです。
3.ランキング:
ユーザーが検索クエリ*を入力すると、検索エンジンがインデックスから情報を検索し、関連性の高いWEBページを選択します。そして、検索結果がランキングされてユーザーに表示されます。
*検索クエリ:Googleなどの検索エンジンの検索窓にユーザーが入力した語句で、単語や単語の組み合わせなどがあります。
SEOで重要視されるようになった点
ここでは、昨今の動向を踏まえてSEOで重要視されるようになったポイントをご紹介いたします。
1.検索意図の理解とコンテンツの深化
キーワードよりも検索意図の理解重視へ:
より人間らしい自然言語処理とAIによる検索エンジンの進化により、キーワードだけでなく「ユーザーが本当に求めている情報」を理解することが不可欠になります。
コンテンツの専門性と深み:
ユーザーの疑問を網羅的に解決する、専門性の高いコンテンツが評価されるようになっています。E-A-T (Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness) の強化も引き続き重要です。
多様なフォーマットで提供:
ユーザーの利便性を考え、テキストに加え、動画やインフォグラフィックなど多様な形式で情報提供を行うと効果的です。
2.ユーザー体験 (UX) の向上
Core Web Vitalsの重要性:
ページの読み込み速度や画面の安定性など、ユーザーが快適に使えるかどうかを評価する指標です。検索順位にも影響します。
モバイルファースト:
スマホでの閲覧が増えているので、モバイル向けにデザインされたサイトが重要です。早い表示とスムーズな操作が評価されます。
アクセシビリティ:
誰でも使いやすいデザインにすることで評価されます。
3.AIとの共存と多様な検索方法への対応
AIコンテンツの台頭:
ChatGPTなど生成AIの活用でコンテンツの自動生成が進んでいますが、独自性や質の差別化が課題です。
検索方法の多様化:
音声検索や画像検索が増えているため、これらの変化に対応したコンテンツが必要です。
ゼロクリック検索への対策:
ユーザーが検索結果ページで情報を完結できる「ゼロクリック検索」が増えています。FAQや構造化データを使って、検索結果での露出を増やす対策が重要です。
SEO対策のメリット・デメリット
SEO対策をすること主なメリットと、デメリットをご紹介します。
4つのメリット
1.WEBサイトへのアクセス増加
SEO対策を行うことで、検索エンジンからのアクセスが増加します。アクセス数が増えることで、WEBサイトの知名度が向上し、ビジネスの成果に繋がる可能性があります。
2.広告費を抑制できる
SEO対策では、ウェブページを最適化することで自然な検索結果により上位表示を目指すため、広告にかかる費用をかけずに集客効果が期待できます。長期的に見た場合、集客コストを大きく削減することができます。
3.コンテンツが資産になる
良質なコンテンツを地道に増やして、品質の高いWEBサイトを運営し、このWEBサイトをしっかり保守管理し続けます。そうすれば、品質の高いWEBサイトを手元に残し続けることができるので、一生の財産になります。つまり、資産になるというわけです。
4.信頼性の向上:
検索エンジンからのランキングが上がることで、WEBサイトの信頼性が向上するとされています。検索エンジンは、有用な情報を提供するWEBサイトをユーザーに表示するため、ランキングが高いWEBサイトは信頼性が高いと認識されます。
3つのデメリット
1.効果が出るまでに時間がかかる
SEO対策は、成果を得るまでに時間がかかることがあります。検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に変更され、また、競合サイトの対策もあります。そのため、SEO対策をしてもすぐに上位表示されない場合があります。
2.間違ったSEO対策を行い失敗する可能性がある
間違ったSEO対策を行うと、検索エンジンからのペナルティを受ける可能性があります。また、不適切なキーワードの使用や、ユーザーにとって有用でないコンテンツの制作など、SEO対策を誤ると、サイトの信頼性が損なわれ、検索順位が低下するリスクがあります
3.成果が継続しない場合がある
SEO対策は、検索エンジンのアルゴリズムの変更や、競合サイトの対策などによって、成果が継続しない場合があります。そのため、定期的なメンテナンスや更新が必要です。
SEO対策を始める前に準備すること
SEO対策を始める前に準備することとして、分析ツールを導入し、現状を把握することが大切になります。
1.ツールを導入して分析の環境を整える
Googleサーチコンソール
自分のサイトへ流入したユーザーの検索クエリや検索での表示回数、検索順位(平均掲載順位)、検索でのクリック率などの検索キーワードのデータが分析できます。
とくに検索クエリを分析することで、Googleアナリティクスで表示される(not provided)が明確にできます。また、WEBページのインデックス状況(検索結果での表示/非表示)が確認できたり、サイトに問題があった場合に、アラートメッセージの通知が受け取れます。
Googleアナリティクス
自然検索だけでなく、他のWEBサイトやSNS、有料検索(Paid Search)、メルマガなどのあらゆるチャネルからの流入状況が分析できます。
また、各チャネルや全体の訪問者数、訪問者データ(滞在時間、直帰率や離脱率、PV(ページビュー)やセッション数、閲覧ページ数、リファラー、ユニークユーザー(UU)など)も確認できます。
2.現状を把握して問題点を認識する
導入したサーチコンソールやGoogleアナリティクスなどのツールのデータから、現状を把握して問題点を認識します。
Googleサーチコンソール
例えば、サーチコンソールでは、自分のサイトにアクセスしたユーザーが、どのような検索クエリでサイトを訪れたかを確認することができます。また、クリック数やCTR(クリック率)など、検索エンジンからのアクセスに関するデータを取得できます。これにより、サイトの改善点や強みを把握し、改善策を考えることができます。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスでは、アクセス数と訪問者数、訪問者の属性(性別、年齢、地域など)、ページ毎の滞在時間や、離脱率(1ページで離脱する割合)などの情報がわかります。これらの情報をもとに、サイトの改善点や改善方法を検討することができます。
初心者が自分でできる、重要なSEO対策7つ
ここでは、初心者向けに自分でできる、今すぐやるべき重要なSEO対策を7つご紹介します。
1.キーワードの確認【内部対策・コンテンツSEO】:
ユーザーが検索するキーワード、検索数を調べ、ユーザーのニーズを確認。それをもとに、タイトルやコンテンツを作成しましょう。
2.タイトルタグやメタタグの確認【内部施策】:
各ページのタイトルタグやメタディスクリプションを適切に設定し、キーワードを効果的に使うことで、検索結果での表示が改善されます。
3.URL(WEBページのアドレス)の最適化【内部施策】:
URLを短く、わかりやすく、キーワードを含めたものにすることで、検索エンジンにとってわかりやすくなり、検索順位が上がりやすくなります。
4.内部リンクの設定【内部施策】:
WEBサイト内のページ同士をリンクで結ぶことで、ページ間の関連性を高めることができ、検索エンジンにとっても利用者にとっても、サイト内を自由に移動できるようになります。
5.コンテンツの質の向上【コンテンツSEO】:
ユーザーのニーズにマッチした良質なコンテンツを提供することで、検索エンジンや利用者から信頼され、サイトの評価が上がります。
6.モバイルフレンドリーにする【内部施策】:
モバイル端末からのアクセスが増えているため、モバイルでも見やすいレイアウトや快適なページ表示速度になっているか確認しましょう。
7.告知活動・リンク獲得【外部施策】:
SNSやブログ、ニュースレターなどを利用して、自分のWEBサイトの存在や新しいコンテンツを広く知らせたり、自分のWEBサイトにリンクを貼ってもらいましょう。検索エンジンはより多くのユーザーが訪問していることや質の高い情報を発信していることを認識して、WEBサイトの検索順位が上昇する可能性があります。
初心者向けSEOのよくあるご質問(FAQ)
Q.SEO対策を行ったらどのくらいで成果が出ますか?
一般的に、SEO対策の成果が現れるまでの時間は、数か月から半年以上かかる場合があります。これは、GoogleがWEBサイトをクロールし、インデックスに追加するまでに時間がかかること、競合他社との競争状況、WEBサイトの改善内容の重要性や影響度合いによって異なるからです。
Q.タイトルや記事にキーワードを詰め込めば順位は上がりますか?
過剰なキーワードの使用は、Googleのアルゴリズムに検知され、逆にペナルティを受ける可能性があります。そのため、適切にキーワードを使うことが大切です。タイトルや記事にキーワードを自然に組み込み、ユーザーにとって有益で分かりやすいコンテンツを提供することが重要です。キーワードを無理に詰め込んだり、読みにくい文章を作ると、ユーザーが離れてしまい、逆にSEOの効果が下がってしまうこともあります。
Q.動画はSEOに効果的ですか?
動画をコンテンツに取り入れることは、SEOに有効な要素の一つです。Googleは、コンテンツの質と多様性を評価するため、動画や画像などの豊富なメディアコンテンツを重視しています。また、動画はページ滞在時間を延長させることができるため、ユーザーがページに長く留まるように促すことができます。ただし、動画を使用する場合にも、適切なタイトルや説明文、サムネイル画像を用意し、SEOに最適化する必要があります。
Q.1ページに文字数は何文字くらいが良いでしょうか?
SEOでは、1ページに適切な文字数は明確に定まっていません。ページの内容や目的に応じて適切な長さは異なるため、文字数を基準にするよりも、ページが読者にとって分かりやすく、有益であるかどうか、または情報が的確に伝えられているかどうかを重視しましょう。一般的には、短すぎず長すぎず、読者が快適に読める程度の長さが良いとされています。
Q.タイトルにキーワードを入れても順位が上がりません、なぜでしょうか?
タイトルにキーワードを入れることはSEO上重要な要素の一つですが、それだけで順位が上がるわけではありません。タイトルにキーワードを入れることで、そのページが何についての内容なのかをGoogleに伝えることができますが、それだけでは不十分です。そのページのコンテンツやリンクの質など、多くの要素が組み合わさって順位が決まります。
また、競合の多いキーワードだと、上位表示することが難しい場合があるため、競合が少ないキーワードを使うなど、キーワードの選定も工夫が必要です。
まとめ
SEO対策は、Googleの検索エンジンの仕組みや考え方を理解し、それに基づいてサイトのコンテンツや構造を最適化することがポイントです。キーワード選定やコンテンツ作成、サイトの設計など、様々な工程がありますが、正しい方法を実践することで、より多くのユーザーにアクセスしてもらえるようになります。注意点としては、検索エンジンを欺くような手法は逆効果になるため、常にユーザー目線での質の高いコンテンツ作りを心がけることが大切です。